ペットロス

いまやペットは家族の一員であるため、お互いに強い絆を持つようになりました。ペットを失ったときに大きな喪失感にさいなまれ、深い悲しみでいっぱいになるのは、それだけ愛していたという証です。ペットを失った悲しみを乗り越えるために、我慢する必要などありません。泣きたいだけ泣いていいのです。ただし、必ず立ち直ってください。それがペットへの供養でもあります。

愛するものを失ったとき、人はいくつかのステップを経て乗り越えていくものです。これらのステップは、立ち直っていくために必要で、正常な心の経過です。

<悲しみから立ち直る5つのステップ>

①否定 
「信じたくない、そんなことがあるはずはない」と事実を否定することで自分の心を守ろうとする自己防衛本能です。

②交渉 
何とかして現状を変えられないか、時間を戻せないか、失ったものを取り返せないかと自分の中で交渉をします。

③怒り
あのとき、こうしなかった人が悪い、あの人が悪いと、失った事を誰かの(時には自分の)せいにする。

④受容  
現実は変えられないと、起こったことを理解できるようになる。事実を受け入れようとする気持ちへの大きな第一歩です。

⑤解決  
①~④までの過程を経て自分の気持ちを整理することができ、悲しみが徐々に癒え始め、立ち直ることができます。  ただし、一旦⑤までやっと進んだと思っても、また①に戻って始めからこのプロセスを何度も繰り返すこともあります。ペットを亡くして1ヵ月で立ち直る人もいれば、何年もかけてやっと立ち直る人もいます。失ったすぐは、この悲しみが永遠に続くと思ってしまうものですが、時間の流れとともに必ず心は立ち直る方向に進もうとしていくでしょう。深い悲しみから心が癒えるためには沢山の時間が必要なのです。

 この世に生まれた命にいずれ必ず死が訪れるのは自然の摂理であり、決して避けて通れないことです。死が必然であるからこそ"生”が輝くのです。ペットを飼う以上、必ず看取りの時がきてしまいます。ペットを看取ってあげるということは、人間の宿命と思ってください。もしあなたがペットより先に亡くなったと想像してみてください。それこそ、残されたペットが路頭に迷ってしまいます。ペットにとってそれ以上に不幸なことはありません。ペットを看取り、そして残された人間はその後の人生をしっかりと生き抜くことが、亡きペットにとっての最高の供養になるものだと思います。

ペットと過ごした幸せな日々を素晴らしい思い出として心に刻み、そして天国のペットが心配しないように、ゆっくりでもいいのでまた前を向いてすこしずつ歩き出しましょう。可愛がられたペット達はいつもそばで見守ってくれているはずです。たまにはお空に向かって声をかけてあげてください。「この世に産まれてきてくれて、私のもとに来てくれてありがとう!」と。広い広い世界の、長い長い歴史の中で、その小さな命に偶然にも廻り逢え、大切な時間をともに過ごすことができたということ自体が信じられないくらいの最大で最高の奇跡なのですから。きっとその子とは深い深いご縁があったのだと思います。